【膀胱炎】
┌実─残尿感・激しい排尿痛・頻尿・尿濁・発熱・下腹部脹痛─竜胆瀉肝湯
┌熱┤ ┌残尿感・排尿痛・排尿困難・血尿・下半身浮腫・下痢・発熱─猪苓湯
│ │ ├残尿感・排尿痛・排尿困難・血尿・皮膚乾燥・顔色不良—猪苓湯合四物湯
│ └虚┼頻尿・残尿感・排尿痛・排尿困難・発熱・濃縮尿・下腹部痛—五淋散
│ ├残尿感・排尿痛・頻尿・全身倦怠感・検査異常なし・ストレス─清心蓮子飲
│ └排尿困難・残尿感・頻尿・手足のほてり・易疲労感・腰下肢脱力感─六味丸
│ ┌腰下肢脱力感・腰痛・夜間頻尿・手足冷え・寒がり・耳鳴・健忘—八味地黄丸
└寒─虚┼腰下肢脱力感・腰痛・夜間頻尿・手足冷え・寒がり・浮腫・痺れ—牛車腎気丸
└顔色不良・皮膚枯燥・四肢痺れ・筋肉ひきつり・眼かすみ・血尿—芎帰膠艾湯
(参考 :
漢方診療ハンドブック)
first
choiceは猪苓湯である。猪苓湯には、消炎・利尿・止血・鎮静作用がある。膀胱炎が慢性化し、顔色悪く、皮膚がカサカサしている場合には猪苓湯合四物湯を用いる。
炎症が強く、排尿痛を伴う場合は五淋散が良い。五淋散よりさらに実証で、炎症が強い場合には竜胆瀉肝湯を用いる。陰部が焼け付くように感じる熱実証向きの方剤である。
虚証体質で炎症はあまりないのに、排尿時残尿感や不快感など、イライラ症状の強いものには、清心蓮子飲が良い。抗生物質で菌がなくなったのに、症状だけ残っている場合によい。慢性的な頻尿で腎虚が疑われるときは六味丸にする。
寒証の場合は一般に八味丸や牛車腎気丸(浮腫・痺れあり)を用いるが、血尿がある場合には、芎帰膠艾湯を単独または併用で用いる。