┌眼の腫脹・充血・顔面紅潮・のぼせ・煩躁不安・易怒・イライラ─黄連解毒湯
┌実┼眼の腫脹・充血・視力減退・眼痛・頭痛・顔面紅潮・イライラ─竜胆瀉肝湯
│ ├眼の腫脹・充血・視力減退・眼痛・高眼圧・熱感・口渇・尿量減少─越婢加朮湯
│ └視力減退・眼痛・便秘・冷えのぼせ・めまい・頭痛・下腹部硬脹痛─桃核承気湯
┌熱┤ ┌眼の腫脹・眼痛・視力減退・高眼圧・胸脇苦満・口渇・尿量減少─柴苓湯
│ │ ├高眼圧・視力減退・口渇・尿量減少・浮腫・めまい・悪心・頭痛─五苓散
│ │ ├視力減退・眼痛・頭痛・下腹痛・冷えのぼせ・肩こり・夜間疼痛—桂枝茯苓丸
│ └虚┼視力減退・眼の腫脹・胸脇苦満・イライラ・易怒・抑うつ・多愁訴—加味逍遙散
│ ├顔面紅潮・朝の頭痛・めまい・耳鳴・ふらつき・頸肩のこり・高血圧─釣藤散
│ └眼の腫脹・充血・高眼圧・手足ほてり・腰下肢脱力感・腰痛・夜間頻尿—六味丸
│ ┌かすみ眼・眼の腫脹・腰下肢脱力感・夜間頻尿・排尿困難・冷え─八味地黄丸
└寒─虚┼視力減退・高眼圧・腰下肢脱力感・夜間頻尿・冷え・下肢痛・浮腫—牛車腎気丸
└視力減退・高眼圧・胸脇の痞満・めまい・動悸・のぼせ・不安—苓桂朮甘湯
眼圧を下げる目的で、まず利水剤を用いる。
熱実証なら口渇、尿量減少、多汗を目標に越婢加朮湯を、熱虚証なら口渇、尿量減少、嘔気、下痢を目標に五苓散を用いたり、五苓散証に胸脇苦満や往来寒熱があるものに柴苓湯を用いたりする。
寒証ならめまい、のぼせ、動悸を目標に苓桂朮甘湯を用いる。
眼圧がさして高くない場合は、不定愁訴をヒントに、寒熱・虚実別に方剤を検討する。
熱証の場合、顔が赤く目が充血しているのを目標に黄連解毒湯(のぼせ)や竜胆瀉肝湯(熱感・眼痛)を、瘀血を目標に桃核承気湯(便秘あり)や桂枝茯苓丸(便秘なし)を用いる。また、虚弱体質でとりとめのない多愁訴のものには加味逍遙散がよく、朝の頭痛、めまい、高血圧のあるものには釣藤散が適する。
腎虚が明らかな場合、熱証、即ち冷えがなく、顔色も良いなら六味丸を用いる。寒証、即ち足が冷える、顔色が悪いという場合には八味地黄丸を用いるが、尿の出が悪かったり浮腫がある場合は牛車腎気丸の方がいい。
胃腸が弱く、腎気丸類(地黄が胃腸にさわりやすい)を飲むと下痢したり食欲不振に陥ったりするものには、食欲不振が主であれば人参湯を、下痢傾向であれば四君子湯を、疲れやすいのを主訴とする場合は補中益気湯を用いるとよい。