〈発作期〉
┌熱─実┴急性炎症・激しい咳・黄色い痰・呼吸困難・小児向き—五虎湯
└寒─虚┬寒さで誘発・水鼻・くしゃみ・多量の薄い痰・呼吸困難—小青竜湯
└咳・呼吸困難・喘鳴・少痰・イライラ・憂鬱・胸脇苦満—神秘湯
〈寛解期〉
┌発熱・ストレスで誘発・過換気・煩躁・不安・胸脇苦満—柴朴湯
┌熱─虚┼発熱・悪寒・嘔気・身体痛・不安・イライラ・驚きやすい—柴胡桂枝湯
│ └下肢脱力感・成長遅延・のぼせ・手足のほてり・寝汗・めまい—六味丸
│ ┌食欲不振・易疲労感・反復性臍疝痛・夜尿・夜泣き・腹直筋攣急—小建中湯
└寒─虚┼胃腸虚弱・易疲労感・風邪ひきやすい・やせ・微熱・言語無力—補中益気湯
└食が細い・胃もたれ・上腹部の痞え・軟便・嘔気・薄く白い多痰—六君子湯
〈発作期〉
発熱や気候の暑さで発作を誘発するタイプには麻杏甘石湯を用いる。麻杏甘石湯に桑白皮が加わり強化されたものに五虎湯があるが、麻杏甘石湯より飲みやすく、穏やかに効き、胃腸への負担も少ない。咳、喘鳴があり、多量の薄い痰を伴うときは小青竜湯を用いる。アレルギー性鼻炎を併発することが多い。神秘湯は、柴朴湯と麻杏甘石湯を合わせたような方剤で、慢性で痰の少ない呼吸困難のある喘息によい。中等症以上の症状で、ストレス性や、抑うつ傾向の人にも有効である。
〈寛解期〉には、比較的胃腸丈夫で栄養状態がよい子は、柴胡剤(柴朴湯・柴胡桂枝湯)を用いる。胃腸虚弱な子では、虚弱体質を改善する方剤を用いる。
first choiceは柴朴湯である。風邪をひきやすく、一度引くと長びきやすい子に用いる。中耳炎、気管支炎、慢性扁頭炎を併発しやすい。五虎湯との併用が効果的である。同様に、腹痛を訴える子には、柴胡桂枝湯を用いる。痩せ型の虚弱者で血色が悪く、消化器症状、特に腹痛を訴える子には、小建中湯を用いる。栄養状態が悪く、元気がなく、疲れやすい子には補中益気湯を用いる。胃もたれ感あり、食欲のない子には六君子湯を用いる。