┌咽喉頭部の痛み・発赤・腫脹・咳嗽・喀痰・嗄声・胸満—桔梗湯
├咽頭扁桃腺や頸部リンパ節の腫痛・発熱・肩こり・口渇—葛根湯(合桔梗石膏)
┌熱─虚┼浅黒い皮膚・咽喉腫脹・疼痛・顔面紅種・熱感・蓄膿症─荊芥連翹湯
│ ├胸脇苦満・高熱・扁桃が赤く腫れて痛む・口渇─小柴胡湯加桔梗石膏
│ └咽喉腫脹・疼痛・顔面紅種・熱感・瘙痒・煩躁・易怒・口苦—柴胡清肝散
│ ┌実─悪寒・発熱・頭痛・無汗・項背部のこわばり・身体痛─葛根湯(合桔梗湯)
└寒┤ ┌悪寒・発熱・頭痛・自然発汗・易疲労・体力低下・寒がり—桂枝湯(合桔梗湯)
└虚┴胃腸虚弱・易疲労感・風邪ひき・やせ・微熱・言語無力—補中益気湯(合桔梗湯)
扁桃炎の漢方治療は、扁桃付近の炎症に有効な桔梗湯や桔梗石膏を、急性期は表証薬に、慢性期は、半表半裏あるいは裏証薬に併用して行うことが多い。
すなわち、急性期の場合、寒実証では一般的に葛根湯に桔梗湯を併用し、虚証の時は、桂枝湯に桔梗湯を併用する。
熱証では一般に荊芥連翹湯を用いるが、炎症・咽喉痛が著しい時はむしろ葛根湯に桔梗石膏を併用して用いる。
次に慢性期について述べると、熱証では小柴胡湯加桔梗石膏を用いるが、扁桃炎を繰り返すものの体質改善には柴胡清肝湯が適している。
寒証では、補中益気湯に桔梗湯を併用して用いる。
なお、単に咽痛を治す目的なら桔梗湯を、お湯に溶いて、うがいするように飲むと効果的であり、特に虚弱者では、これだけで著効を示すことも多い。